お客様の心を掴むためにはプレゼントが効果的と言いますが、プレゼントは何を渡すかよりも誰が渡すか、ということの方が重要ではないかと思います。
そんな風に感じた注目すべきマーケティング手法を今日はご紹介します。
幼稚園では
最近の幼稚園では授業参観の日に来てくれた親に手書きのメッセージを添えてプレゼントを渡すようです。子供からそんなプレゼントをもらったらやはり親としてとても嬉しいですよね。プレゼントの中身は毎年変わり、スマートフォンホルダーなどが多いようです。
そんな子どもから親へプレゼントを渡すという習慣が幼稚園に浸透してきたことに目を付けた会社があります。
それは、髭剃りを販売しているShick(シック・ジャパン)です。
父の日に向けた幼稚園の父兄参観日に合わせて、子供からお父さんに髭剃りをプレゼントします。Shickのカミソリ式髭剃りと手書きのメッセージカードを添えて。
父兄参観日の日にかわいい娘から髭剃りをプレゼントをされたらお父さんはこれは使うしかない!ですよね。
通常、髭剃りというとどのメーカーも大体同じなのでこのメーカーのこれがいいというのはあまりないと思いますが、一瞬で思い入れのある髭剃りになったのは間違いありません!髭剃りなら、「シック・ハイドロ」とお父さんたちの頭には刻まれましたね。
そして、さらにShick社の戦略が優れているところは、プレゼントする髭剃りが電動式ではなくカミソリ式であるということです。
カミソリだと刃の交換が必要なので継続的に追加購入する必要があるのです。
前述した通り、この髭剃りには子供からもらったものという強い愛着があるので、他のメーカーのものに買い替えようとは思いません。Shick社はブランドを認知させただけではなく、刃を替えてもらうことで継続的に売上を上げられる仕組みを構築したことにもなります。
路上で髭剃りの試供品を配って使ってもらったとしても全く思い入れがありませんが、かわいい子供から渡すことで思い出の品に変えることができています。
父の日を狙って幼稚園に営業をかけるこのマーケティングの戦略はすごいですよね。
思い出してもらえるプレゼント
そしてさらに、もう一つ良くできているところがあります。それは、毎日使うものであるということです。
どんなものをプレゼントしたら最も効果的かというと「常に思い出してくれるもの」です。毎日それを見る、触れる機会が多いものが効果的なのですよね。
それを見るたびに思い出してくれれば記憶に残りやすくなります。頭の中を占める割合が増えればそのときの感情が蘇ります。
プレゼントとしては、
・常に身に付けるもの
・持ち歩くもの
・自宅で毎日見るもの
・いつも使用するもの
が良いのです。
それを身に付けるたびに、見るたびに、使うたびに、思い出してくれますからね。この点でも、髭剃りというプレゼントはとても優れています。
髭は通常、毎朝剃るものですから髭剃りを使うたびに子供のことを思い出し、そして、Shick社のことも思い出します。
とても優れたマーケティング戦略ですね。
同じものでも誰から渡すかで全く意味が異なるということをぜひ覚えてくださいね。
ちなみに、僕もクラシックコンサートを開催するときにお客様にプレゼントを渡すときがありますが、渡すのは主催者の僕や受付スタッフではなく、必ずお客様が応援している音楽家から手渡すようにしています。
間違いなくコンサートの出演者である音楽家から手渡してでもらった方が嬉しいですからね^^
本日のまとめ
プレゼントは何を渡すかよりも誰が渡すかで、記憶に残るかどうかが決まる。お客様が手渡しでもらったら嬉しいのは誰からなのかということを考えましょう。
コメントを残す