先日、幕張メッセで行われていたライブ&イベント産業展という大規模なフェアに行ってきました。
ライブ・コンサート、舞台など各種イベントを開催するのに必要なサービス、製品が一同に集まる日本最大の見本市です。3日間で1万人以上訪れるお祭りのようなイベントですね。
ライブ&イベント産業展
僕も、交流会、コンサートなど100人規模のイベントを月に数回開催しているので、何かヒントになることがあれば!と思って足を運びました。が、やはりものすごい人でした。幕張メッセに到着するなり、そこは受付待ちの長蛇の列。受付をするだけでかなり体力を消耗してしまいました。
やっとの思いで会場の中に入ると、たくさんの数のブースが出展されていました。イベントを盛り上げるための器材やグッズ、サービスが盛りだくさんです!
音響・照明、映像機器、ライブ配信設備、キャスティング、舞台美術にステージ設営器具、フード・ケータリングまでありとあらゆるものが揃っていました。
そんなブースを出展するには1区画数十万もするので、大きいブースを用意するとなれば数百万から数千万円かかります。大きなブースはやはり大手企業しか出せないので、ソニーやリコーなど一流企業が陣取っていました。一番目立つ角地に外装のデザインも凝ったかっこいいブースを構えているのがすごかったです。広々としたスペースで見込客をしっかりと集めていました。
しかし、そのソニーやリコーよりも小さなブースにも関わらず圧倒的に人を集めているブースがありました!!そのブースは外装もそんなにお金を掛けているわけではなかったので全然見劣りします。
でも、集客力はソニーやリコーよりもずっとずっと上です。他のどのブースよりもダントツで人だかりができていました。
そのブースとは、秋葉原の地下アイドルグループ「仮面女子」のブースでした!!
仮面女子はご存知でしょうか?芸能界から追放されたアイドルというコンセプトで、全員アイスホッケーの仮面をかぶった顔がわからないアイドルグループです。
ワタシタチ国民的地下アイドル二ナレマスカ?というキャッチコピーで活動している地下アイドル最強のグループのようです。
この仮面女子のブースが広いわけでも、外装のデザインが目立っているわけでもないのに、ひときわ人を集めていました。特設のステージも用意されて一日に何回か歌と踊りのパフォーマンスもありました。
僕は特にアイドルに興味があるわけではないのですが、こんなに人を集められている理由を知りたい!と思ってステージパフォーマンスを見ていました。
1曲目、2曲目までは理由が全然わからなかったですが、パフォーマンスを見ているうちに次第に気づいてきました。
なぜこんなに人を集めることができるのかその理由が分かったのです。
仮面女子、人気の秘密
仮面女子のライブが始まる前、特設ステージの周りにいたのは最初は元々のファンだけだったのですが、ライブが始まって1曲目、2曲目と曲を歌うたびにどんどん観戦客が増えてくるではないですか!これには驚きました。なぜ、こんなに集まってくるのだろう。そして、途中で飽きて帰る人も誰もいない。不思議だなと思って見ていました。
と、その時…さっきまで全員仮面を付けて踊っていたのですが、ステージの何人かが仮面をチラッとだけ取りました!
ほんの一瞬です。見逃してしまった人もいるかもしれません。
しばらく曲が進んで、するとまた、ステージの何人かが仮面をチラッと取りました!それから、曲が進んでいくうちに仮面を外す回数が多くなり、外している時間も長くなっていきました。
そして、最後の方には全員仮面を完全に外して踊っていました。
ここに秘密があったのですね!
仮面を付けているアイドルを見たらどう思うか?
それは、「素顔を見てみたい!」だと思います。
素顔が気になるので、見るまで帰れないというような仕掛けをステージパフォーマンスにしてあるのですね。
少しずつ仮面を外したり、素顔が見れる人と見れない人がいたり、よく考えられていました。人間の心理を突いたとても優れた戦略ですね!
そして、このパフォーマンスだけではなく仮面女子全体のコンセプトもしっかりと作られています。
地下アイドルナンバーワンと自ら名乗ることによって、一番のポジションを確立しています。
秋葉原で普通にアイドルを打ち出しても、AKBにはとても敵わないので、仮面を付けて、地下アイドルという領域でトップを取ったわけですね。どの領域でもトップを取ると目立つ存在になるので、そこから徐々にファンを増やしていくことが可能になります。最初は小さなピラミッドでもすそ野が広がれば、やがて大きなピラミッドになっていきます。
そんなアイドルの打ち出し方から面白いマーケティングの戦略をライブ&イベント産業展では見ることできました!
やり方次第では大手企業に勝つこともできるということですね。
本日のまとめ
小さな領域でナンバーワンのポジションを宣言することが重要。トップを取ると目立つ存在になるので、ファンを増やしていくことが可能。
■こちらの記事もおすすめです
>>ポジショニングマップの作り方【軸の取り方5つの観点】
コメントを残す